総合・社会

2018.07.30

西日本豪雨で太陽光設備が多数損傷

7月5日から西日本11府県を襲った西日本豪雨で、各地は甚大な被害に見舞われ、太陽光発電所も多数損壊した。岡山県倉敷市真備町では、小田川と支流が氾濫し、住宅が2階まで浸水、太陽光パネルで発電した電力を変換するパワーコンディショナが多数水没したほか、太陽光発電所が冠水。広島県三原市では、土砂災害が相次ぎ、大和町内の太陽光発電所に土石流が直撃したほか、多数水没した。愛媛県西予市では、肱川が氾濫し、住宅は2階まで浸水、肱川沿いの太陽光発電所は冠水して発電停止に陥っている。

14kWの太陽光発電所を所有する岡山県倉敷市真備町在住の田村茂靖さん(46)は、早めに避難して難を逃れたが、太陽光発電所は水没した。田村さんは、「自然災害保険に入っていたのでよかった。ただ、発電所の再建までの約2ヵ月間の売電損失は補償されない」と残念げだ。

屋根の上の太陽光パネルは無事だったが、パワーコンディショナは冠水し、使用できなくなってしまった模様だ。停電した際の非常用電源として太陽光発電は活用されてきたが、浸水被害では設備が機能しなくなる恐れもある。

浸水を予期して、予め対策を講じた岡山県倉敷市在住の小野浩さん(61)は、「7日の朝に水が入ってきた。3年前のリフォームの際にエアコンの室外機などを嵩上げし、太陽光発電設備の蓄電池も、施工店に頼んで高くした」とにこやかに語った。

土砂崩れによる被害も多発した。兵庫県神戸市では、山陽新幹線沿いの傾斜地に建設された太陽光発電所が崩落。新幹線が一時運休する騒ぎとなり、周辺住民は「土地に元々ひび割れがあった」と、施工の不備を訴えている。しかし、太陽光発電所を建設し、売電事業を行う別府工務店は、この件についてのコメントを避けている。

他の地域でも、斜面の下の太陽光発電所が土砂崩れで損壊する被害が出ている。傾斜地やその周辺に太陽光発電所を建設する例が増えているが、平地に建設する場合と比べ、リスクが高くなるように思われる。

現場はいまだに通行止めの地域が多く、太陽光発電所の被害の全容はつかめていないのが実情だ。

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