ロンジソーラーテクノロジー株式会社
知られざるロンジの太陽電池技術 世界最安W20円パネルも射程圏内
中国ロンジソーラーの太陽光パネルが日本で人気を博している。高出力な単結晶シリコン型ゆえ、日本製をしのぐ性能を発揮しつつ、何よりも安いのだ。ロンジが日本、いや世界を席巻する日はそう遠くないだろう。
日本ではロンジソーラーの知名度はそれほど高くはないが、中国では有名だ。太陽電池の原料である単結晶シリコンインゴットとウエハで世界トップに君臨し続け、2017年末時のインゴットとウエハの年産能力はそれぞれ15GWだった。これを18年末には世界総需要の実に4分の1にあたる28GWまで増強。しかも14年から太陽光パネルの生産に着手し、17年末に年産6.5GW、18年末には12GWまで拡張した。
特徴的なのは、多結晶シリコン型の太陽光パネルが主流のなかで、より高出力な単結晶シリコン型に特化していることだ。その理由を李振国会長は次のように語る。「太陽光発電の本質はW単価の低減だ。目標は火力発電の水準まで太陽光発電の発電単価を下げること。06年までに様々な技術を検証し、単結晶シリコン型に可能性を見出した」。
創業者の李会長は、大学で半導体材料を研究し、卒業後は単結晶シリコンインゴットのメーカーで10年ほど経験を積む。そして満を持して2000年にロンジを設立。単結晶シリコン原料の生産を開始し、一貫して技術を磨いてきた。
李会長は、「毎年売上高の5~7%の資金を研究開発にあて、製造原価の低減に力を注いできた。おかげで06年時60米ドルだった単結晶インゴット1㎏の加工費は7.5米ドル(8分の1)に下がった。ウエハ1枚の加工費も2006年時の0.7米ドルが2018年は0.1米ドル(7分の1)まで下がった」と胸を張る。
こうしてロンジは11年に単結晶シリコン原料で世界の頂点まで登りつめたが、李会長の心は満たされなかった。李会長は、「エンドユーザーの間では単結晶シリコン型太陽光パネルの価値が十分理解されていないと感じた。そこで高品質な単結晶シリコン型の太陽光パネルまで生産して これを安く提供しようと考えた」と振り返る。
ロンジは14年に中国の太陽光パネルメーカーを子会社化してパネル生産に着手すると、15年に中国国内でパネルを0.9GW、16年に2.3GW販売した。17年には中国国内における太陽光パネルの販売量を4.2GWへ伸ばし、一躍トップに出たのだ。
そしてロンジは2017年に日本へ進出。着々と販売を伸ばしているが、縮小傾向にある日本市場でどのような展望を描いているのか。
唐旭輝副総裁は、「日本への参入は遅かったが知名度が上がってきた。18年の日本向け出荷量は300MW程と見ている」とし、「19年は日本での販売シェアを10%まで高めたい。パネルの出荷先は大規模な開発案件が半分 残りは低圧太陽光発電所や住宅用太陽光発電設備向けだ」と展望を語る。
李会長も、「日本のお客様は製品に対して品質を重視されるので当社の製品の強みが活かされる。売電単価が下がっても 当社の製品は性能・品質・価格とすべてにおいて優れているので 十分メリットがある」と自信を見せる。
日本より価格競争の厳しい中国で、ロンジは高性能を訴求して販売トップの実績を上げた。高性能志向がより強い日本は同社にとって攻略しやすい市場なのだろう。
ロンジの技術革新への力の入れ具合は、日本メーカーを凌ぎ、世界トップレベルだ。事実ロンジの17年の研究開発費は1億7587万米ドルだった。これは例年開発費が高額な米国のファーストソーラーやサンパワーを抑えて世界トップであり、太陽光発電企業の研究開発費の記録を更新している。
李会長は、「量産品の太陽光パネルの変換効率は高いもので20.20%だが 2年内に21%まで高める。太陽光パネルの製造原価は3年内にWあたり0.2米ドル(約22円)まで引き下げる。40年以上の長寿命化も実現可能だ」と強調した。
ロンジが巻き起こすパネル革命は、太陽光発電の常識を塗り替え、エネルギーの世界まで一変させる力を秘めている。
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