総合・社会
2018.01.20
大雪で発電停止も 進む太陽光設備の雪対策
1月12日から降り続いた大雪の影響で、北陸地方の太陽光パネルは雪に覆われ、2日間ほど発電が停止した。ただ、設備が倒壊するような大きな事故の報告は、2018年1月中旬時点で上がっていない。北陸では雪対策が進んでいるようだ。
1月12日~13日、北陸地方は大雪に見舞われた。福井県大野市では13日午後5時時点で積雪97㎝を観測。地域の住民は、「ここしばらく(雪はこんなに)降らなかった。こんなに降ったのは5~6年ぶりだと思う。一度に雪が降ったから大変だ」と話す。
雪が降り止み、日が照り始めると、太陽光パネルは、発電によって熱を放ち、積もった雪を溶かす。屋根に太陽光パネルを設置した住宅では、雪かきの負担が軽減されるようだ。
自宅の屋根に太陽光パネルを設置している女性は「雪はある程度たまると自然に落ちる。表面が滑りやすくなっている。太陽光パネルを設置している住宅では、雪かきの最中にけがをする心配はない」と語った。
太陽光発電に不向きな北陸では、様々な雪対策が見受けられる。例えば太陽光パネルは通常、地面に対して10~30度の傾斜をつけて設置するが、雪国では架台の角度を45度に設定して雪を滑り落ちやすくしている。
また、太陽の光に合わせて角度と向きが変わる追尾式架台を利用している。これは、一般の固定式架台よりも導入費が嵩むが、発電量の増加が期待できる。さらに、冬場は太陽の位置が低く、パネルの傾斜角が増すため、パネルの上に雪が積もらないというメリットもある。
大野市内で追尾式架台の設置を手掛けるSP電機の前田社長は、「市内の追尾式設備はすべて当社が施工した」とし、「追尾式は固定式と比べれば、初期費用が㎾あたり1.2倍高くなるが、発電量は1.7倍増える」と利点を説いた。
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