総合・社会
2018.10.08
台風被害で停電10日も太陽光で電力確保
急速に勢力を拡大した台風21号は9月4日、徳島県に上陸し、淡路島を通過して近畿地方を北上。西日本では、強風の影響で家屋の損壊が相次いだ。関西電力によれば、4日21時で170万戸が停電し、和歌山県や京都府の一部では復旧に10日以上を要した。
停電が1週間以上続いた和歌山県有田郡有田町東大谷に1人で暮らす澤田伊都子さん(79)は、「これだけ長い停電は1953年の紀州大水害のとき以来だ」と振り返り、「お粥を炊いたりご飯を炊いたりするときは鍋と卓上コンロを使っているが、ガス缶を3本も使ってしまった。冷凍庫のなかのものは、1人暮らしでお店まで遠いから買い置きしていたが、炒めたり焼いたりして使ってしまい、新しく義理の娘に買ってもらった」と話す。
同じく東大谷地区に住む大硲金一さん(77)は「すぐそこで倒木しているために電線が切れ、停電が発生している。あそこを直してもらわなければ電気が復旧することはない」とため息をつく。お風呂には1週間から入れず、「クーラーを使わなくてよい暑さだから凌げている」という。
大硲さんにとって何よりの負担は、2日に1度、車を運転して食べものを買いに行くことだ。大谷さんは不安を吐露する。「このあたりはお店があまりなく、1回の買い物で1週間分の食べ物を購入していたが、停電の影響で冷蔵庫が使えず、買いためていたものは捨てないといけない。保存ができないため2日に1度買い物に行かなければならない。家内は病気で、2、3年前から調子が悪い。私は目を怪我して片目しか見えない。車はなんとか運転でき、免許も取れるが、これで運転できなかったらどうしようと思う」。
一方で、自宅と倉庫に太陽光発電設備を設置していた前北敏夫さん(69)は、普段と同じように家電製品を使うことが出来たという。前北さんは、その喜びをこう語った。「太陽光パネルがあれば昼間だけでも普段と同じような生活ができる。停電すると生活関係がすべてアウトになる。お風呂もたけないし、オール電化だから炊事もできない。公衆電話も携帯電話も使えない。太陽光パネルは便利だ。昼間の間にすべきことはできる。もちろん依然として不便ではあるが、生活に支障はきたさない。ご飯も炊けるし洗濯も掃除も可能だ。様々な意味で太陽光発電の効果はある」。
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